「おい、総司!なんでこいつを連れてきた!」
土方さんの鋭い声が、蔵に響き渡る。
なんでって、ただの興味本位。
それと、私は古高……長州が考えていることを知っている。
池田屋事件は、とても有名だから。
「土…方…さん…。私に……やらせて……」
私がそう言うと、土方さんは目を見開いた。
拷問なんて、古高もされたくないと思う。
だから、私が。
「なに言ってんだ!“女”がすることじゃねぇ!」
…………女?
今更何をいっているの?
私を隊士として扱っておいて、今更女扱いとか?
ありえない。
「今更…女扱いはないですよ……土方さん。」
「だからってなぁ………!」
お願いします、ともう一度お願いをする。
拷問なんて、ほんとは怖くて仕方がない。
人を傷つけるだなんて。
でも、これから私は自分の手を汚し続けるのだから。
これくらい、なんてことないはず。



