「妖刀!?そんなものが本当に・・・」
「それで何故か私その刀が抜けたので、驚いた店主がお代はいいと。」
「そういうことですか・・・」
沖田さんはまだ驚いてた。
私の刀をまじまじと見つめたあと、
「舞花さんはすごいですね!」
無邪気に笑われて、私は少しだけきゅんとなった。
「そんな……………すごくないですよ。私なんて。」
「そんなこと言っちゃだめですよ!舞花さんは僕に勝ったんですよ?それに妖刀も抜けるんですよね?充分すごいですよ!」
そこまで言われるとなんだか恥ずかしくなってくるよ……………
「そ、そうですか?ありがとうございます。」
「あ、そうそう。舞花さんは名字はないんですか?」
……………名字。
ながらくその存在を忘れていた気がする。
だって、新撰組(ここ)でそれを言ってしまったら、驚かれそうな気がするから。
まぁ、土方さんには言っちゃったけど。
「それは……………秘密ですよ?」
「そうですか……………残念ですね。」
今は言えないけど……………いつかは、言うつもりだから。
だから……………待っててください。