会津藩藩主、松平容保。
新撰組は会津藩お預かりである。
私の名字を知って、壁を作られたり、変に敬わられたり。
そんなの、嫌だから。
でも、この状況は言わなきゃいけないパターン。
私は、意を決して、自分の名字を明かすことにした。
「───松平です。」
「………は?」
「松平……です。」
「本当か?」
「………はい。」
土方さんはいつもより険しい顔つきになった。
「………まあいい。それで、お前の処遇についてだが…」
「………はい。」
「女中兼隊士、だ。」
2つ、か。
でも、仕事は仕事だし。
雇ってもらえるだけでも嬉しいし。
よし、頑張ろう。