すると、私の前に影ができた。
直後、私は暖かい温もりに包まれていた。
───え?
沖田さんに抱きしめられている、と認識するまでに、少し時間がかかった。
「え、あの、沖田さん?」
「舞花さんが───」
「え?」
「舞花さんが平助の怪我を治してくれたって、本当なんですか……?」
掠れた声で、沖田さんは言った。
「そうですよ……?勝手なことしてしまったみたいで……」
「そんなことありません。」
沖田さんは私から体を離した。
「僕は感謝しているんです。平助の怪我も、僕の労咳も、普通なら治せません。でも舞花さんは【花の巫女】で、治癒能力を持っていました。吉田に聞いたときは驚きましたが……それでも貴女は、僕達のために能力を使ってくれました。」
「そんなの、当たり前じゃないですか。な、かま、なんですから…………」
【仲間】
その言葉を口にするのは、少し怖かった。
本当に私は仲間なのかな、と思ってしまったから。