浅葱を救うことができなかった【悲しみ】と、騙されたことによる【憎しみ】。






その2つが花翼の頭を支配していた。







「──────えろ。」






そして、花翼は禁断の言葉を口にしてしまった。






「全て消え去れ。────この生命を代償として。」






花翼から黒い煙が沸き起こり、儚月は目を瞑る。





「黒きものをこの体に封印せよ。我の魂を捧げよう。」





なにかに取り憑かれたかのように、花翼は淡々と言葉を口にしていく。