それは、どこからどうみても【妖怪】そのものだった。 (なに……これ……) そして、【それ】は浅葱の胸を突き破って飛び出した。 その瞬間、花翼は絶望に包まれた。 "騙された"。 その言葉が、脳裏に浮かんだ。 そのとき、スッと襖が開いた。 振り返ると、儚月がそこにはいた。 「儚月、殿…………!!」