「こ、れは………」


花翼は、この跡に見覚えがあった。





幼い頃に読んだ書物に、書き記されていた、ある呪術。





人を呪い、人を喰らう生き物を、人に巣食わせ、人から生命力を奪い、人から産まれる妖怪。









「うぅ……………」




浅葱が唸る声が耳に入る。




一晩中、花翼は声をかけ続けた。




それでも、浅葱が元気になることはなかった。