「花翼。今日は夕刻に演奏会がある。準備をしておくんだぞ。」 部屋で浅葱にそう告げられ、花翼は慌てて準備をする。 夕刻まであとわずかであったため、必要以上に慌ててしまう。 花翼はまだ子供っぽいところがあるから。 「は、はいっ!!」 ─────演奏が終わり、花翼は少し考えていた。 (演奏中に感じた呪術の気配…………あれは普通じゃない。)