────バンッ!




うしろで、何かが開く音がした。


おそらく、今私がいる屋上の扉が開かれたのだろう。


タッタッと靴の音がする。


そしてそれは、私のほうへ向かっているように思える。


やがてその足音は、私のすぐ後ろで止まった。


「なんのつもりだよ………舞花」


ああ、この声は。


まともに会話をするのはいつ以来なのかな。


とても、とても懐かしく感じる。


「…………見てわからないの?」


「死ぬつもりかよ」


「…悪い?
別に私が死んだって、誰も悲しまないじゃない。桐沢が止める理由はないでしょ?」