両親は険しい顔をしながらも、「頑張れ」と言ってくれた。
「ありがとう。私、頑張ります。」
この日の夜、花翼は村の者と宴をした。
その中には浅葱もいた。
最後の夜を花翼は胸に刻み込んだ。
「それでは、行って参ります。」
村の者に見送られ、花翼は十七年間暮らし続けてきた村を、初めて出た。
「はぁ……………」
籠の中で、花翼は小さいため息を漏らす。
これから先うまくやっていけるのか。
平民である自分を貴族の人達は受け入れてくれるのだろうか。
こんな質素な着物を身につけていて良いのだろうか。
たくさんの不安が頭の中を飛び交う。
「そんなに不安になることはない。気楽にやればいいんだ。」
そんな花翼の気持ちに気づいたのか、浅葱は言った。
その言葉がなにも知らない花翼にとって唯一の支えになっていた。
何日か経ち、籠は止まった。
都についたという合図。



