なんか....
隠し事されてるようで
居心地がわるい…


まあ出会って間もない人間に
ほいそれ自分の話しをするのはどうかと思うが、なんとなく....

涼花は…
いろいろ背負って生きてる。
そんな気がした。




「暑いねぇ....」
「だな…」


俺は名前のせいか知らないけど
基礎体温が高く、
基礎代謝もいいので
暑さを感じやすいらしい....


「そんな陽向くんにほい!」
「ぬぁ!? 冷たっ…」

えっと....

頭に保冷剤?



「あぁ~一瞬保冷剤だと思ったでそ~」
「え、違うのか」
「ひどい~…」
ちょいとふてくされた顔
かわいい。


まあその冷たいモノの正体は
彼女の手であって。

「どうして涼花そんな冷たいの」
「名前のせいかな??」

俺に聞くな....


「じゃあヒントくれよ」
「なんの?」

君が自分のこと話さない理由。

「んーとねぇ」


「別れが寂しくなるから....かな」


はい?
別れ?
どういうことだ。

「夏休みだけ、特別に田舎いけるの。」

どうやらここにいるのも
夏限定らしい。



「毎年いろんなとこに行くけど、今年は特別!」
「特別?」
「それはね、
陽向くんに出会えたこと!」
「っ....!!」

だから来年も、
再来年も、夏になったらここに来る!


そう言って君は俺に笑った…

「待ってるよいつまでも」
「んふふ。陽向くんは優しいね」
「ちょいと優しくなったかな」
「あれ!?ほんとは冷たい人なの?」

前も言っただろ、
名前に反して性格は....って。

まあどうでもいい。
なんか、涼花と話してるとき、
夏の暑さを感じないんだよな....

「ふっ....」
「あーー!今笑った!」
「笑ってない」
「絶対笑ったよ!!」


そんな他愛ない会話が続き、
ふと溢れた笑顔。
人前で笑ったことがなかった俺は
というか涼花の前では
自然体で居られる気がする....