「あ、あの私、今日都会から来て、その、ここが貴方のものだったなんて知らなくて…」

「あー。そうか。」

色々話聞いてたら
この子は都会人...そう定義した。


「俺さ。都会人嫌いなんだよね...」
「あ、あ、ごめんなさい…」

都会人が嫌い、まああれだ。
俺が住んでるこの町は
ちょいと田舎なとこにある。

都会人が嫌いとは言ったが
別にその子に言ったわけじゃない。
なのにかなりしょげてる。


罪悪感なんか、
前の俺だったら
感じなかったはずなのに。


「あー…その。言い過ぎたわ...すまん」
「い、いえいえ!! 私こそ失礼極まりない……」
「んー...君の名前は?」


俺は何を聞いてるのだ。
関心なんかなかったはず。。


「えっと。。」

さわさわと風が囁くなか、
凛とした声が響いた。

「椛田涼花って言います...」



少し照れながら
はにかみながら、
自分の名前を告げた彼女。


悔しいけど、


負けた。



「俺は...島風陽向…です」


「陽向…? あったかい名前だね!」


あったかい名前...
確かにそうだ…でもこの名前嫌い。


「でも性格は...違うよ?」
「ううん、私にはわかるよ!」




ー・・貴方は
陽向くんは
とってもとっても
あったかい人ってこと!!・・ー




この時君が
そう言ったから
すごく
嬉しかった。
そして


君が好きになった。


だからいま
とても苦しい...