もちろん、落ちたチョークは床で粉々になっている。 「わたし、そんなこと言ってないよ?」 キーンとした耳を押さえながら、変なことを言い出した兄に不満をぶつけた。 いつの間に、こんなに近くまできていたのだろうか。 「だって、話しかけても無視するじゃないか。」 ミナトは目をそらして完全に拗ねた様子だ。 どんな表情を浮かべているかは、少し伸びてきた前髪が邪魔でよくわからない。