「んじゃあ、出るけど。

忘れ物ないよな?」



私達は身仕度を整え、
辺りを見渡す



忘れ物がないか




涼雅はダウンの上から
ボディバッグをたすきのように掛けると、

扉の方へと歩いて行く



此処を出たら、終わりなんだな……



私はその背中を見ていて悲しくなる



携帯番号とか、訊いたら嫌われるかな?



逆に、訊いてくれないのかな?



もし、私から教える分には、
そんなに嫌がられないかな?



でも、
“私の携帯番号登録して下さい!”

ってお願いするのも変だし……



あっ!