夏休みのあの日――
太陽がカンカン照りなのに湿気も凄くて、
うだるように暑かった
だから、その日は外には出たくないような日だったけど、
家に居ると母親の小言が煩いから、
用もないのに私は一人街をぶらぶらとしていた
せっかく学校もないのに誰かに会うのもだるくて、
寂しいと感じながらも一人で過ごしていた
その帰りに乗り込んだ電車の中で眠り込んでしまい、
下りる駅を乗り過ごしてしまった
そして、この海辺の街、
あのライブハウスが有る駅に下りた
普通なら、折り返してそのまま帰りの電車に乗るはずなのに、
あの日の私は何故か駅の改札から出たくなってしまった
もしかしたら、潮の香りに誘われたのかもしれない



