うつくしいもの


「優雅、言いたい事が有るなら、
全部終わってから聞いてあげるよ。

今は、するべき事をしてくれないかな」


そう言った寺岡さんは、
いつものように冷静だった




「――優雅、頑張ろう」


私は、准一に押さえられたままの優雅の右手を、その両手で握った





「――うん」


優雅は少し冷静になったのか、
小さくそう頷いた