うつくしいもの



「そうでしょうか?」



それでもやはり、優雅は私にも深い所迄は話してくれない


苦しい事を一人で抱え込んで隠してしまう




「あいつ、ガキの頃から完璧で。
勉強もスポーツも。

俺はガキの頃体が弱かったから運動自体させて貰えなかったし、
勉強は全然ダメだし。
だから、すげーぐれちゃって。

そんなわけだから、両親も俺ばっかりに手をやいて。
優雅の事は両親は安心していたから。

優雅は両親は俺ばっかに構ってるように思ってただろうけど、
両親が誰かに話すのは自慢の息子の優雅の方ばかりなのにさ」



本当に話してみないと分からないんだな、って思った


優雅は、両親が涼雅ばかりを可愛がっていると思い、
涼雅に対抗心を抱いてしまった




「俺は俺で、出来のいいそんな弟が大っ嫌いでさ」


アハハと笑う涼雅を見ていると、
その大っ嫌いが大好きに聞こえる