「優雅は、涼雅さんの事本当は大好きなんですよ。
ただ、色々と誤解があって。
涼雅さんに勝ちたくて一生懸命で、
手段を選ばなかった所は有るかもしれないですけど。
でも、優雅はあなたから大切なものを奪いたかったわけじゃない。
今回の曲の事だってきっと……」
きっと、そんな事を私がいちいち言わなくても、
涼雅は分かっているだろう
「――優雅、辛いの?
俺の作った曲を盗むなんてあいつらしくない。
きっと、あいつのSOSなんだろうな?
助けてくれ、って。
ガキの頃から優雅は、弱音を言えない奴で。
風邪とか引いてしんどくてもぶっ倒れる迄頑張って。
でも、勝手に薬箱開けて風邪薬とか飲んで、
それを俺や両親に分かるようにテーブルにその形跡を残してたり。
気付いてくれ、って」
やっぱり、涼雅は優雅の事をちゃんと分かっている
「でも、お前がそんな風に言うなら、
あいつ、お前の前では少しでも弱音を吐けてんだな?
ちょっと、安心した」



