「話しても、埒があかない。 本当に何も無かったかどうかなんて、当人同士にしか分からないでしょ?」 「――本当に、何もないのに……」 他に言える言葉がなくて、 そう繰り返してしまうだけ 優雅はソファーから立ち上がると、 寝室に入って行った 暫くすると、ギターケースと、 大きなトートバッグを持って出て来た トートバッグには、詰めれるだけ荷物を詰め込んだからか、 大きく膨れている