「実際、今1つピンストが伸び悩んでるのは、彼の書く曲だよ。
デビュー曲はありきたりだけど、良かった。
カラオケで歌いたくなる感じで。
2枚目、3枚目は、宣伝やネームバリューだけで売れたような曲。
2枚目は、癖が有るだけで、
3枚目なんか、名曲を作ろうとして、作りきれていない感じかな」
秋原さんの遠慮の無い言葉に、
苦しくなって来る
言い返す言葉もなくて、
ただ聞く事しか出来ない
「妥協点を見付けようか?
お互いにとっていい条件で」
「えっ?妥協点ですか?」
秋原さんのその言葉に、
俯きかけていた顔を上げた



