「優雅、必死なんです…。
曲を出す度に売上げが下がっていて……。
だから、秋原さんとのコラボで、少し曲作りから離れられるんです。
それに、その曲が売れて私達の地位がもう少し安定したら、
優雅もそれ程に切羽詰まらないかもしれない」
「うーん。
俺なら、自分が書いた曲より、
そんな風に書いて貰った曲の方が売れたら嫌だけど」
「――以前の優雅ならば、
そうだったかもしれません」
けど、今は違う
「今はそんな事を言ってられるレベルじゃないんだな。
自分のせいでピンストが落ちて行くのが、怖い……」
「はい。
優雅、今は自分の為じゃなく私達の為に頑張っているような感じで……。
だから、どんな形でも今よりも売れれば、優雅も少しは気持ちが楽になるんです」
初めの頃は、兄の涼雅に負けたくないから頑張ろう、とか、
自分の為にしか考えてなかったかもしれないけど、
今は違う
私達のCDが売れなくなって来ている責任を一人で背負い込んで、
私達にそれを申し訳ないと思っている



