「実際、あいつは俺たちを裏切って、
この敏腕プロデューサーがお遊びで作ったバンドで
楽しそうにやってんじゃんか?
俺たちを、嘲笑ってんだよ!
いや、俺だけをあいつは!」
「何も知らないくせに……」
涼雅のその言葉に、
悔しくて腹が立ってしまう
お遊びでもなければ、
楽しくなんて、やっていない
優雅が今どれだけ苦しんでいるか、
知らないくせに
涼雅の事もそうだけど、
思うような曲が作れなくて……
優雅は、今の涼雅と同じように苦しんでいるのに
「だったら、お前か?
考えてみると、そっちの方がしっくり来るな。
自分を遊んて捨てたバンドマンが世に出たら、
その事が大きなスキャンダルになるかもしれねーもんな?
それか、ただの腹いせか?」
そう言って詰め寄られて、
その憎らしい顔を見ていると、
自分の中で抑えていた感情が溢れ出して来る
涼雅が自分との事を、
1年以上経った今でも覚えている
私にとって、
とても嫌な風に
哀しくて、悔しい――



