「――あんた、一体どう言うつもりだよ!!」
止める間もなく、その足音は寺岡さんに近づくと、
彼の胸元を両手で掴んでいる
それは、1年以上ぶりに見る、涼雅の姿だった
最後に見た時よりも髪が伸びて、
あの頃よりも少し痩せたように見えるけど、
変わっていなくて
懐かしさに、胸が熱くなる
私は、あの頃短かった髪が、
今は肩よりも下迄伸びた
「――いきなり電話が掛かって来て、
今回の事は無かった事にって。
さっき村井って奴を締め上げ吐かせたら、
あんたが俺を……」
涼雅は今にも殴りそうな勢いで、
寺岡さんの胸元を締め上げて行く



