「最近は両親だって兄貴より俺の方を気にしている。
だって、俺はこれからプロになって有名になる。
自慢の息子だから。

だから、夢見がちな馬鹿な兄貴よりも、ずっとずっと」



ずっとずっとの後の言葉は、
なんなのだろうか?



愛してもらえる――…


だろうか?




優雅は体を起こし、
私の顔に顔を近付けて来る


私の真意を見抜くように


私が、自分の味方なのか、
それとも…




その優雅の表情は、
凄く底意地悪そうに見えた



でも、私はそんな優雅も受け入れて好きだと思う




ある意味そんな優雅が、
とても素直で純粋で




兄である涼雅と、
弟の優雅



彼らの不仲の理由は、
他人から見たら大した理由じゃないのかもしれないけど、

毎日同じ家で過ごし、
そんな風に長年蓄積された恨みや憎しみは、

他人には分からないくらいに大きいのかもしれない