最悪から最愛へ

車が走り出して1分も経たないうちに、渚は眠ってしまった。宣言通りだが、早すぎる。

峻は眠ってしまう前に家の場所を詳しく聞いておこうと思っていた。まさか、こんなに早く寝るとは…誤算だった。


20分後、渚の家の近くだろうと思われる場所に到着したので、路肩に車を止めて、渚の肩を揺する。


「紺野、起きろ。おい、起きろ!」


少々大きな声を出してみるけど、全く起きる気配がない。酔っていなければ、起きると思われるが、酔っている人間はなかなか起きないものだ。


「はあー。またかよ」


寝ている渚の頭をこついて、峻の住むマンションへ方向転換する。少々、荒く回ったが渚からは何も反応がない。


どこを触っても起きないのか…

峻は、マンションの駐車場に着いて、渚の鼻を摘まんでみる。息苦しくなったのか、少し口が開く。その開いた場所に指を入れて、横に引っ張る。


「フッ。 間抜けな顔だな」