最悪から最愛へ

「近くにたまたまホテルがあったから、そこで看病してもらったんです」


「ああ、そうなんだ。ちょうどホテルがあって、良かったね」


渚は、何で疑わないのだろう。

峻がかけたかまに引っ掛かったのは、田中くんではなくて、渚だ。純粋なんだから、馬鹿なんだか…峻は、渚に呆れる一方だ。それにしても、田中くんはふてぶてしい。


「田中。もし、また仮病で休むことがあったら、それなりに対応させてもらうからな」


「店長。厳しいですねー」


「紺野。お前が甘過ぎなんだよ。チーフなんだから、ビシッと注意しないといけないだろ?って…お前、飲み過ぎじゃないか?」


店員が空いたジョッキを片付けないから、テーブルの上は空のジョッキでいっぱいになっている。渚だけではなく、田中くんが飲んだのもある。


「あー、片付けてもらいましょうか?」


証拠は消してしまいたい田中くんは、全然反省の色が見えない。