最悪から最愛へ

そして、峻もまた…不機嫌だ。

「店長なんかとは、随分な言い方だな」


「あ、店長。ビールでいいですか?」


「いや、車で来たからコーラでいい」


わざわざコーラを飲むために、車で来るなんて…本当に何のために来たのか分からない。


「ん?なんか文句あるのか?コーラではダメか?コーラないのか?」


「いえ、コーラですね!分かりました。チーフはビール、お代わりでいいですか?」


一瞬、唖然とした田中くんは、峻に睨まれた急いでから、コーラとビールを頼む。渚は、そんな田中くんを見て、笑いそうになる。

だけど、峻は自分のペースを乱さない。


「それで、あの客はもう来ないのか?また来ると言ってた?」


どうやら、峻は山口という客のことをわざわざ聞きにきたらしい。電話で話せば済む内容なのに。


「あの、名刺を渡されまして…」