最悪から最愛へ

二人は、深夜2時まで営業している居酒屋にやって来た。ラックスストアから徒歩10分のところにあるので、宴会等で何度か利用したことがある居酒屋だ。


「お疲れさまです」


「お疲れさま」


ビールのジョッキをぶつけ合ってから、一気に半分ほど飲む。

「うまいっすね。仕事後のビールは!」


「うん。田中くん、明日の大学は大丈夫?」


「明日は午後の講義だけなので、のんびり寝れますから大丈夫です」


♪~♪~♪


渚のスマホが着信を知らせる。店長と表示されていた。


「え?店長?何だろう。ちょっとごめんね。…はい、紺野です」


「今日は、あの客来なかったか?」


「来ましたけど、田中くんが追い払ってくれたので大丈夫です」


「田中が?…今、どこにいるんだ?」


峻の耳に騒がしい音が聞こえて来た。


「田中くんと飲んでいるんですよ」


「はあ?どこで?」