最悪から最愛へ

「だから、送ってくれなくて結構です。仕事行く前にいろいろとやることがあるんです」


何がなんでも今すぐ帰りたい。


「何がやりたいんだよ?」


「店長には関係のないことです。とにかく帰ります」


やりたいことなんて特にないから、ただの口実だ。渚はくっ付いている峻の胸を押して、峻を見上げた。


「帰る前にやることあるだろ?」


「ここでやることなんて、何もないです。帰してください」


峻が言うここでやることは何?一瞬不安になった渚だが、怯むことなく自分の意志を伝える。


「本当にうるさい女だな。お前、男いないだろ?」


「そんなことどうでもいいでしょ!それもセクハラ発言ですよ。本当にどうでもいいから、離れてください」

いまだに密着している峻に嫌悪を感じる。峻は峻で、朝からうるさい渚に苛立つ。苛立つなら、離せばいいのに。