最悪から最愛へ

峻の身長は180センチある。それに対して、渚の身長は160センチだ。20センチの身長差だと、渚の顔は峻の胸辺りになる。

引き寄せられて、峻の胸が目の前になった渚は、突然の現れた壁に戸惑って、とりあえず文句を言う。峻はそんな文句を無視した。

離してもらうには、文句が足りない?そんなふう捉えた渚は、言葉を続ける。


「私、今日仕事ですよ。帰るのを邪魔しないでください。分かってます?」


返事が聞こえて来ない…寝てるのか?


「店長、聞いてます?店長は休みでしょうけど、私は仕事なんですよ!早く離して…」


峻が休みであることは、チェック済みである。峻が休みの日を渚は、いつも楽しみにしているからだ。峻のいない日の勤務は、渚にとって最高の日なのである。


「うるさいな。まだ仕事の時間には間に合うだろ?送ってやるって、言ってるのだから、ありがたく待っていろよ」