最悪から最愛へ

渚は、バッグから財布を取り出す。一万円くらい出せばいい?ホテルでもないのにこんな出費もなるとは…


「金はいらないよ」


要求が金でないとすると…


「はい?いらない…ですか?」


峻の目的は何だろう。とりあえず、必要のない財布はしまう。余計な出費はなくなったが…


「体で払えよ」


「えっ?」


どこかのヤクザのようなセリフが聞こえて、渚は思わず自分の耳を疑う。上司である峻が言うべきセリフではない。そんなことを言ったら…


「店長。セクハラで訴えますよ」


訴えられる世の中なのだ。言葉は注意して発しなければならない。


「ふーん。合意の上なら問題ないだろ?」


「はい?私は絶対に合意なんてしませんよ!」


渚の鼻息が荒くなる。峻は怒る渚を見て、楽しそうな笑みを浮かべた。

そして、握っていた手首に力を入れて、渚を引き寄せる。


「ちょっと!何ですか?」