最悪から最愛へ

「でも、あの…ありがとうございました!私、やっぱり帰ります。失礼します」


渚は、立ち上がって、頭を下げて、ベッドルームを出る。あ、バッグ…あった。

リビングのテーブル横に置いてあった白いバッグを持って、玄関へと歩き出す。


ギュッ


「待てよ」


もう少しでこの家から出れるところなのに、後ろから手首を捕まれた。渚の動きが止まる。何で邪魔をする?早く帰らせて…


「何ですか?」


「そのまま、帰るつもり?」


「えっ?」


そのまま?何も忘れ物してないし、スカートもちゃんと履いたから、おかしな格好でもないはず…

渚は、呼び止められた理由を考えるけど、思い付かない。


「泊めてもらって、タダで帰るつもり?」


まさか、宿泊費の要求?意外にせこい男なのか?


「いくら払えばいいんですか?」