最悪から最愛へ

「キャッ…」


突然の方向転換にまだ酔っている足はついていかなかった。

「いったーい」


「おい、大丈夫か?」


転んだ渚に峻が手を差し出す。いつの間にか追いついていた。


「いいです…立てます」


そうはいうけど、力が入らなくてうまく立ち上がれない。


「いいから。あー、擦りむいてるな。痛いだろ?」


峻は渚の腕を持って、引っ張り上げた。右足の膝から血が滲み出ていた。


「痛い…です」


「そこのコンビニで絆創膏を買ってくるから、待ってろ」


「あ、絆創膏ならあります」


渚は、自分のバッグの中から絆創膏を取り出した。


「そうか。じゃあ、あそこの公園で足を洗うか?砂付いてるし。歩けるか?俺の肩に掴まれよ」


怪我をした渚は、大人しくなるしかなかった。頼りたくなくても、頼るしかない。峻の肩に掴まって、右足を引きずりながら、歩く。