最悪から最愛へ

お開きになって、それぞれ家の方向へ行く。まだ飲み足りなくて、二次会へと行く人もいるが、数名だけだ。明日、仕事で早番の人も多い。仕事に支障が出ては、困るから…と考えるのが社会人らしい。


「お疲れ様でした」


「お疲れ様」


佐和子は迎えに来てくれた旦那の車に乗って帰って行く。

一番近い駅まで歩いて15分。このくらい歩くと酔いも少し冷めて、良い感じになる。


「小田くんも電車?」


「いや、車で来ちゃったから代行で帰るよ。紺野も乗っていく?」


「ううん。まだ電車あるから、大丈夫。ありがとうね、お疲れ様」


渚は、小田に手を振って歩き出す。他にも電車組はいるらしく、前の方に数人歩いている。その中に峻の姿もあった。


追い付きたくない渚は、歩くスピードを落とす。方面が同じなので、同じ電車に乗る可能性があるから、一本遅らせようと思案した結果である。