最悪から最愛へ

渚に置いて行かれた峻はすぐに復活出来ない。よたよた動いて、トイレ前の椅子に座り、痛みが収まるのを待っていた。


「そろそろお開きの時間なんだけど、店長はどこ行った?」


今日の幹事兼司会者である小田も峻の姿を探す。他の人間も辺りを見回す。

その時、険しい顔した峻が戻ってきた。


「あ、店長」


「店長、どうしました?お腹でも痛いのですか?」


少々前屈みになっている峻を見て、佐和子が心配する。


「いや、腹は大丈夫だ」


痛いのは、腹ではなくて股間だ。しかし、本当のことは言えない。そんなことを言ったら、笑い者になり。

渚は痛そうにする峻を見て、思わず口元が緩む。峻は、即座に渚を見つけて隣へ行く。


「おい、どうなるか覚えておけよ」


物騒な言葉を渚の耳元で言う。


「知りません」


渚は、小田の近くへと逃げる。渚も一応幹事なのである。