最悪から最愛へ

「紺野、少し大人しく出来ない?」


こんな密着した体勢で大人しく出来るわけがない。何でこんなヤツの胸にくっつかなくてはいけない?訳の分からない怒りが爆発する。

そうだ!腕がだめなら、足で攻撃しよう!狙いは股間だ!


渚は、比較的自由に動かせる足に神経を集中させる。狙いは真ん中…狙いを定めて…


エイ!


「ウッ!…おま、え…」


うまく命中した。攻撃は成功である。

峻は渚を離して、股間を押さえてうずくまった。かなりの衝撃だったに違いない。


「ごめんなさい!」


痛そうな様子を見てほんの少し心が痛んだが、渚は急いで峻から逃げた。


「紺野チーフ、遅かったですね。あれ?そういえば、店長はまだ戻ってないですね」


渚よりも先にトイレに行った峻が戻らないのは、おかしいと佐和子が気付く。


「さあー?まだトイレじゃないかな?」


置いてきたのは、渚なのに涼しい顔でとぼける。