最悪から最愛へ

「これだけでいい。すぐ帰るし」


「何でそんなに急ぐの?久しぶりの食事だというのに。そんなにも紺野さんのところに早く帰りたいの?」


春佳は峻の腕に自分の腕を絡ませて、拗ねた顔をした。春佳の行動に峻の心は全く動かない。するりと絡ましてきた腕を取り除く。


「清水マネージャーと二人で食事する理由がない。だってさ、仕事の話じゃないんだろ?紺野をいじめるなよ。それに邪魔するな」


「本当に冷たいわね。仕事の話じゃなかったら、元カノと食事をしてはダメなの?紺野さんは心が狭いのね」


振り払われた手をまた絡ませる。席が隣りだと逃げたくても逃げれない。峻は、何度も露骨に避けるのは無駄な行為だと思って諦める。


「俺が元カノなんかと食事したくないだけだ。紺野は関係ないだろ?彼女を大事にしているんだから、不安にさせたくないんだよ。今後一切誘わないでくれる?」