最悪から最愛へ

予定をなくしたのは春佳だ。自分が原因だというのに、親切心で言ってるかのように誘う。しかし、峻と渚には意地悪にしか聞こえない。性格の悪さに峻はつくづく呆れていた。

ちゃんと話をしなければ面白がって、いつまでも邪魔をするだろう。断固拒否しなければならない。それが二人のためだ。


「いや、紺野は行かなくていい。俺に用事があるなら、俺だけで充分だろ?」


「でも、紺野さんは私たちが二人だけになるのを好ましく思っていないんじゃないの?」


「いえ、私は結構です。どうぞ、お二人で行ってください。店長、私、家で待っていてもいいですか?」


峻に合鍵はこの前もらった。春佳の前でわざわざ言ったのは対抗心が出たからである。渚にだって恋人としての意地がある。二人のことを知りたければ峻にあとで、聞けばいい。

峻は、そんな渚の気持ちを察していた。強く言っているように見えても、内心は心細くなっているはず。