最悪から最愛へ

「そうですけど」


峻の返事は素っ気ない。


「じゃあ、今日こそ一緒にご飯を食べましょうよ。ね!」


「いや、予定があるから、だめです」


「あの…」


峻の予定は渚との買い物だ。それを分かっているから、渚が口を挟む。


「あら、何かしら?紺野さん」


「私との予定は変更してもいいので、どうぞ二人で行ってください」


渚は、仕事の用事だと思った。だから、何の疑いもしないで、上司である春佳に譲る。普通であれば、当然の行動だ。

しかし…


「紺野、違う」


「え?」


峻は、この状況に納得しない。春佳と絶対に食事をしたくないからだ。


「予定は変更しない」


「でも、清水マネージャーと行ったほうが…」


買い物なんて今日でなくてもいい。マネージャーがわざわざ出向いてくるなんて、内密の用事があるのではないかと渚は、気を回したつもりだった。