最悪から最愛へ

駐車場に止めてある峻の車に乗り込む。ドアを開けた瞬間、むわっと熱い空気が出てくる。外も熱いが、車内の温度の方がはるかに高い。

峻がエンジンをかけると、エアコンが作動される。温かい風が冷たい風に変わる。


「さて、俺の家に行こうか」


「え?何でですか?」


峻の家に行く理由がない。渚は、すぐ送ってもらいたかった。それにしたいことをすぐに聞けると思ったのに、言わない。


「店長。聞いてもいいですか?」


「何?」


「何がしたいんですか?」


峻はまだエンジンをかけただけで、発進していない。渚からの了解が得られていないから、出発出来ない。


「ん、大人の営みかな」


「はい?な、なんですか?それって…」


「一応さ、同意が得られないと俺としてもさ、強引に出来ないしね」


峻の言葉に渚は、激しく動揺した。