最悪から最愛へ

渚の心臓は跳ねた。


「えっ?嫌…」


理想の手に握られて、嫌なわけはない。受け入れてしまいそうだ。でも、心は拒否する。このままではいけないと…。


「渚…」


「えっ…」


始めて、下の名前で呼ばれて、跳ねた心臓の動きは早くなる。峻は絡めた手に力を加える。


「とりあえず、座ろう。俺たち、目立っているから」


「あ…」


渚は注目を浴びていたことに恥ずかしくなり、慌てて座った。峻はまたもや楽しそうにしている。


「渚。俺はもう少し渚と一緒にいたいんだ。だめか?」


今の峻の願いはただ1つ。渚と一緒の時を過ごすこと。


「はい?だめかと聞かれても…あの、何がしたいんですか?」


「ここで言うにはちょっと恥ずかしいな。出るか…」


恥ずかしくて言えないこととは、なんだろう?渚は気になりながらもこの場で追求することはしないで、峻と一緒にコーヒーショップを出た。