最悪から最愛へ

本当に塩ラーメンが食べたかっただけの峻は、勘違いされたことが恥ずかしくなり、自分の味噌ラーメンを再び食べ出した。


「ごちそうさま…」


「ごちそうさまでした」


「また来いよ。 また来てね~」


気まずい空気のまま、ラーメンを食べ終えて、車に乗り込む。峻はどことなくふて腐れた顔をしている。


「ちょうどいい時間になるな」


「あの…ごちそうさまでした。ありがとうございます」


ラーメン代は峻が払った。機嫌の悪そうな峻を気にしながら、お礼を言う。


「ああ…、気にしなくていい。俺が誘ったんだから」


「お腹いっぱいになりました」


「映画館で寝るなよ」


「あー、分からないです。寝てしまったらどうしよう」


「頭叩いて起こしてやるよ」


峻は渚の頭を軽く叩く。


「えー、優しく起こしてくださいよ!痛いのは嫌ですからね」


渚は大げさに叩かれた部分を押さえる。