最悪から最愛へ

渚は峻に奪われまいとラーメンの入ってる丼をしっかり掴む。


「こっち、食べていいから。味噌もうまいぞ」


確かに味噌ラーメンの美味しそうな匂いも漂ってくる。だけど、峻が食べたものと交換するつもりはない。


「いらないです。それにあげませんよ」


「何でだよ?一口くらいいいだろ?ケチだな」


渚の拒否に峻も負けない。


「くれ!」と「嫌です!」が繰り返される。


「峻、いい加減に早く食べろよ。せっかくのラーメンがのびる。間接キスをそんなに頑張らなくてもいいだろ」


隆也は呆れながらも楽しそうに事のなり行きを見ていた。決着が着くのを待っていては、自慢のラーメンが不味くなるので、見かねて口を挟む。


「え?嫌だ…店長、そんなことを考えていたんですか?変態ですね」


「馬鹿なことを言うな。俺は、塩ラーメンを食べたいから言っただけだ」