最悪から最愛へ

食事の後、二時間半もある映画を観る予定だ。確かに今、食べないと後で空腹になりそうだ。映画館でお腹が鳴るのは恥ずかしい。

渚は渋々と塩ラーメンを頼んだ。


「あ、美味しい…美味しいですね」


「な、うまいだろ?」


峻の友だちの隆也がやっているラーメン屋にやって来た。自慢の友だちだから、褒められたことを自分のことのように喜ぶ。

隆也は、峻の味噌バターコーンラーメンをおきながら、笑う。


「峻が女の子を連れて来るなんて、何年ぶりだよ?かわいい彼女じゃん。うん、似合ってるよ」


「は?ただここのラーメンが食べたくて来ただし、こいつは部下だよ」


「そうです。ただの部下です。誤解されては困ります」


二人揃って、否定する。隆也は笑いながら、他の客のラーメンを作りに戻る。


「ちょっと、それ食べさせて」


「え?嫌ですよ」