最悪から最愛へ

その頃、店長室でも同じようなことが話題になっていた。

「紺野に問い詰めたのですか?」


「ん、一応聞いたけど、避けてないと言われた。あいつ、分かんないヤツだな」


「ハハッ。無意識に避けているんですかねー。紺野はしっかりしているんだけど、深く考えないところがありますからねー」


「ああ、そうだな。楽天的というか、能天気というか…もう少し危機感を持つ必要があるな」


この二人の会話を渚が聞いたら、「失礼な!」と怒りそうだ。


「俺も気をつけて見ておきますよ。いろんな客がいますからね」


「ああ、そうして」


小田はここに来た本来の目的であった次月の青果売上目標レポートを峻に渡して、店長室を出ようとする。


「あ、そうだ」


「はい?」


「さっき、紺野を映画に誘ったんだけどさ」


「えーーー!」