最悪から最愛へ

ガチャ…


ドアが開く前に峻は渚から離れ、開いた瞬間、素早く椅子に座った。

変な噂が広まっては困る。


「失礼しまーす。あれ?紺野、ここにいたんだ」


「うん。もう終わったから、どうぞ」


渚は急いで店長室を出た。入れ替わりに小田が中に入る。峻は何となくやりきれない気分である。小田が来たことで、解放された渚は安堵のため息をつく。


「また店長に何か言われたんですか?」


出勤したばかりの女性パート社員が渚を心配そうに見る。


「え?あ…ううん。特に何も言われてないから大丈夫」


「そうですか?じゃあ、お疲れですか?4日連続出勤でしたよね?」


「ああ、そうかも。でも、やっと明日休みだから…」


休み…峻に誘われたことを忘れていたわけではないが、思い出して言葉を詰まらせた。


「ゆっくり休んでくださいね」