ピィロンっと再び音がなった。
同時に、全体チャットにモリさんの言葉が表示される。
『はよっす!39さんいってらっしゃい!』
『おはようございます、モリさん』
ハッとして、私も全体チャットに文字を打った。
『おはよう、モリさん!』
このチャットはこの四人で全員だ。
いつも朝と夜はこうして話をする。
ただモリさんだけは、昼間もお話ししてくれるので、私はチャットに入り浸っていた。
『シマさん仕事行かないんすか?』
『行きますよ。もう仕事場にはついてるので、携帯からこっちに来ているだけです。』
『なるほどな!』
シマさんと39さんは社会人。
立派な大人。
いいなぁ、大人って。
かっこいいし。
またシマさんの文字に指を伸ばした時、ピィロンっと個人チャットに文字が表示された。
今度はモリさんだった。
『二人きり、大丈夫だった?』
二人きり、というのは私とシマさんのこと。
私の事情を一番よく知ってるのはモリさんだから、よくこうやって個人チャットがくるのだ。
『大丈夫。』
『あんま抑え込むなよ。俺が全体チャットにいなくても、個人で声かけてくれていいんだから、な!』
『ありがとう。』
モリさんだから話せることがある。
『やっぱり私ってありえないのかな?』
それは、ネット上で知り合った人に恋をしているということだ。
そう、シマさんに。

