「そういえば、今年はどれくらいこっちにいるの?」 「4、5日くらいかな」 「そうなの?去年よりも長いのね」 「まあなー」 大地と話していると、どこか安心してしまうのは、いつも変わらない。 夏の夜は寂しくて、悲しくて、ポッカリとあいてしまった穴を、大地の笑顔が埋めてくれるような気がした。 そう思うのは、〝幼馴染”だから。 あたしと1番付き合いが長くて、家族も同然な大地だから。 〝恋”とか、そんな特別な感情じゃないわ。