「何回おんなじこと言ってんだよ。」 「何回だって言うもん。」 「…………。」 きっと何回言ったって足りない。 この気持ち、 全部伝えるには言葉なんかじゃ足りない。 遥には分かる? このもどかしさ。 どうすれば伝わるのか。 どうすればもっと近づけるのか。 分かんないのに、 言葉ばっかり 行動ばっかりが先に走って…… 「芹、目閉じて」 「え……」 考えるのをやめ、驚きで遥を見上げる。 私を見る遥の目が なんだか熱くて…… 溶けてしまいそう。