私の顔の横に遥の右手が置かれた。 「……る、遥、下校時間……怒られ…」 「大丈夫だ。」 「人が来るかもだし……。」 「黙ってろ。」 鋭く、優しい眼差し。 断れない……。 遥は少し強引に私の顎を持ち上げた。 ほのかに花の匂いが香る中庭で、 私と遥はキスをした。 遥との距離がゼロになった感覚を 忘れてしまわないように この時間を胸に刻み込んだ。